平成25年 2013年 大晦日

●本年も、今日が最後の日。年末になると、寂しい便りが届く。人の世の定め、致し方のないことであるが、哀れで悲しい。
●6月には、斎藤親盛の御子孫、斎藤惣逸氏が70歳で亡くなられた。如儡子の調査で大変お世話になった。5月に心通う弟さんを亡くされた方、6月に68歳の父さんを失われた方、10月に母77歳とお別れした方、3月に奥様のお父さん82歳を亡くされた方、6月に兄70歳と10月に母104歳を見送くられた方、3月に姉84歳を亡くされた方、5月に79歳の姉とお別れした方、9月に母90歳を亡くされた方、2月に80歳のお父さんを見送られた方、10月に93歳になった母とお別れした方、6月に祖母89歳を見送られた方。
●11月には、小学校の恩師、赤井三男先生が88歳で御他界なされた。2月には前田金五郎先生が92歳で永眠された。9月には朝倉治彦先生が89歳で亡くなられた。
●赤井三男先生は、小学校6年の時の担任であった。私は、赤井先生の御指導で、学習することの楽しさ、意義のようなことをお教え頂いた。先生は、貧しい家庭の私を御自宅に時々泊めて下さり、生きることの意味を教え下さった。雑草のよに芽を出した私が、ここまで成長できた初発は赤井先生の、1つ1つのお言葉だったと思う。
●前田金五郎先生には、仮名草子研究を志した頃から御指導頂いた。横山重先生、川瀬一馬先生、佐竹昭広先生に紹介して下さった。『近世初期文芸』を創刊した頃から、原稿をお寄せ下さり、資金的な援助もして下さった。平成22年の第27号には力作書評を執筆して下さった。私が仮名草子研究の対象を広げられたのは、前田先生と横山先生の御蔭である。
朝倉治彦先生には、国会図書館で、早くから御指導頂いた。先生の大企画『仮名草子集成』に参加させて頂き、私の研究範囲はさらに拡大した。平成17年、第38巻発行を機に、私は、この叢書の継続を依頼された。曲がりなりにも、先生の御意思を引き継げたのは、せめてもの御礼である。現在50巻まで発行された。
●本年は、このようなことがあって、寂しい思いをした。私としては、4月発行の『芸文稿』第6号に「重友毅先生と私」を掲載できたことが、嬉しかった。
■前田金五郎著 『思い出雑記帳』
 平成24年10月25日、勉誠出版発行

■『江戸時代語辞典』書評
 『近世初期文芸』第27号掲載、20頁

朝倉治彦編『仮名草子集成』第38巻
 平成17年9月30日、東京堂出版発行