『源平盛衰記』の研究

國學院大學文学部日本文学科から『「文化現象としての源平盛衰記」研究』第三集が発行された。科学研究補助金・基盤研究(B)平成24年度報告書である。A4判・212頁の大冊である。サブタイトルに「文芸・絵画・言語・歴史を総合して」とあるように、単なる『源平盛衰記』の文学的、文芸的な研究ではなく、絵画や言語や歴史的な側面から光をあて、総合的に研究するプロジェクトである。
●この研究の概要は、國學院大學文学部の「中世文学逍遥」のサイトで知ることができる。
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科研費による共同研究 ■
 
平成二十二年 基盤研究(B)  
〜二十五年度 研究課題:「文化現象としての源平盛衰記」研究
           −文芸・絵画・言語・歴史を総合して−
   
  研究代表者 松尾葦江 國學院大学文学部教授
連携研究者 小林健国文学研究資料館教授
  石川 透 慶應義塾大学文学部教授
  伊海孝充 法政大学文学部准教授
  小助川元太 愛媛大学教育学部准教授
  岩城賢太郎  武蔵野大学文学部准教授
  坂井孝一 創価大学文学部教授
  高橋典幸 東京大学大学院人文社会系研究科准教授
  吉田永弘 國學院大学文学部准教授
  原田敦史 岐阜大学教育学部准教授
研究協力者 辻本恭子 兵庫大学非常勤講師
  平藤幸 鶴見大学非常勤講師
  伊藤慎國學院大學非常勤講師
  山本岳史 國學院大學研究開発推進機構PD研究員
  秋田陽哉 滝高等学校教諭
  ワイジャンティー
  ・セリンジャー ボウドイン大学准教授
     
<研究の目的と実施方法> 
 源平盛衰記は、『平家物語』諸本の中でも最も記事の分量が多く、しかも後世に与えた影響の大きい諸本である。源平盛衰記には、中世から近世にかけてのさまざまな文化の生成、変容、継承などの諸問題を解明する手がかりが大量に含まれている。
 本研究は、従来の『平家物語』研究が繰り返してきたような諸本の先後関係の決定や、『平家物語』から他の文芸への影響関係を指摘するために源平盛衰記を取り上げるのではない。むしろ、源平盛衰記をひとつの「文化現象」としてとらえ、これを拠点として、室町文芸及び文化の生成と変容を、他のジャンルや時代にも及んで究明しようとするものである。その結果、『平家物語』本文の流動の様相や、その中での源平盛衰記の位置づけも明らかになると考える。
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●この第3集には「源平盛衰記 人名索引」「源平盛衰記 記事年表」などの労作が収録され、貴重な資料が多く紹介されている。
★本書の詳細 → http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html
■『「文化現象としての源平盛衰記」研究』第三集

■ 口絵 『清重絵巻』

■ 口絵 『咸陽宮』