「死去net」  回覧板

●昨夜は、寂しい知らせが回ってきた。御近所のEさんが御逝去なさったという。私が毎朝、妻の車を洗っていると、杖をついて散歩に出掛けた。夏の暑い日には汗をかきながら、寒い冬の日には、帽子をかぶって、散歩を続け、リハビリに努めていた。私と同年輩かと思う。リハビリは自分自身の意欲が第一ですね、とよく声をかけた。遠くで目が合うと、手を振って挨拶してくれた。お互いに健康に注意しましょう、と励まし合った。最近、体力も回復して、散歩も距離を延ばしている、と話していた。人生の哀れさを思う。
●大学時代からの友人、大久保君は、山岳部で冬でも半そで姿だった。新聞社の校閲部に勤務し、入社から定年まで、部署の異動は無かった。平素も登山靴に近い、特製の靴をはいて、池袋から大手町まで、ほとんど歩いていた。昨日、終った、東松山の日本スリーデーマーチにも、何回も参加していた。その大久保君が入院した。娘さんからの電話で知って、病院へお見舞いに行ったが、車椅子の彼は、余りにも小さくなっていて、言葉が出なかった。大久保君は、写真を松田二三男氏に習い、写真の個展も開いていた。カメラは、ライカコンタックス。カメラ狂だった私の憧れの友達である。

■『大久保トホル写真集』
 
■同書見返の「羅囲嘉」冨樫省艸刻