朝倉治彦先生 さようなら

朝倉治彦先生が、9月15日、御他界なされた。89歳であった。

 先生の御逝去を悼み、心から御冥福をお祈り申し上げます。
●9月18日、午後7時より、和田湘南斎場で行われたお通夜に参列して、朝倉先生とお別れした。晴れ晴れとした、先生の御遺影に手を合わせて、はかり知れない御学恩に対して、心からの御礼を申し上げた。

東京堂出版の前社長・松林氏、仮名草子集成担当の編集部・菅原氏とも久し振りにお会いして、在りし日の朝倉先生を偲んだ。
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朝倉 治彦(あさくら はるひこ、1924年 - )は、書誌学者。 國學院大學特別研修科修了。国立国会図書館勤務。近世から近代にかけての多くの書物の編纂、校訂を行う。四日市大学教授。

著書
藩校の蔵書 日本古書通信社 1976 (こつう豆本
貸本屋大惣 日本古書通信社 1977 (こつう豆本
書庫縦横 出版ニュース社 1987
図書館屋の書物捜索 東京堂出版 1987
名所図会覚え書 日本古書通信社 1991 (こつう豆本
編纂・校訂
柳亭種彦日記 安藤菊二,吉田幸一共編 古典文庫 1951
松陰中納言物語 吉田幸一共校 古典文庫 1952
諸職受領調 安藤菊二,吉田幸一共編校 古典文庫 1952
諸國色里案内 中村幸彦共編 古典文庫 1953
仮名草子集 男色物 校 古典文庫 1958
明治世相編年辞典 稲村徹元共編 東京堂出版 1965
江戸名所図会 斎藤長秋編 鈴木棠三共校註 1966 (角川文庫)
東京年中行事 若月紫蘭 校注 平凡社 1968 (東洋文庫)
幕末・明治研究雑誌目次集覧 柳生四郎共編 日本古書通信社 1968
明治官制辞典 東京堂出版 1969
世相 原田伴彦共編 三一書房 1970 (日本庶民生活史料集成)
東都歳事記 斎藤月岑 校注 平凡社 1970 (東洋文庫)
都市風俗 森銑三,鈴木棠三共編 三一書房 1971 (日本庶民生活史料集成)
明治初期三都新刻書目 佐久間信子共編 日本古書通信社 1971
守貞漫稿 喜多川守貞 東京堂出版 1973
風俗画報 校訂 全24分冊 明治文献 1973
江戸繁昌記 寺門静軒 安藤菊二共校注 平凡社 1974 (東洋文庫)
江戸方角安見図 東京堂出版 1975
芸能記録 服部幸雄共編 三一書房 1975 (日本庶民文化史料集成) 藝能史研究會編
江戸名所記 浅井了意 校注 名著出版 1976
文学碑辞典 井門寛共編 東京堂出版 1977
書誌書目シリーズ 宗政五十緒共編 ゆまに書房 1977
東海道名所記 浅井了意 校注 平凡社 1979 (東洋文庫)
柳亭種彦日記 校訂 秋山書店 1979
假名草子集成 全47卷 東京堂出版 1980
太政官日誌 石井良助共編 東京堂出版 1980
明治初期官員録・職員録集成 第1巻 柏書房 1981
書誌年鑑 深井人詩共編 '82 - 2010 日外アソシエーツ 1982
太政官記事 内務省録事・大蔵省録事 東京堂出版 1982
近世木活圖録 國會圖書館本 深澤秋男共編 青裳堂書店 1984 (日本書誌学大系)
江戸近郊道しるべ 村尾嘉陵 編注 平凡社 1985(東洋文庫)
幕末明治日誌集成 東京堂出版 1986
近代史史料陸軍省日誌 全10巻 東京堂出版 1988
辞書解題辞惣郷正明共編 東京堂出版 1977
東征日誌 公議所日誌(続) 東京堂出版 1986 (幕末明治日誌集成)
遊歴雑記初編 十方庵敬順 校訂 平凡社 1989 (東洋文庫
人倫訓蒙図彙 校注 平凡社 1990 (東洋文庫)

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より
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●ここに掲げられた先生の御著書は、ごく一部だと思う。先生の全業績は膨大なものである。いずれは、関係者によって著作目録が編纂されるものと思う。朝倉先生の出版された業績は、いずれも貴重なものと思うが、仮名草子研究者としての私から見ると、東京堂出版から刊行され、現在も刊行中の『仮名草子集成』が、先生の業績のトップにくるものだと思う。
●『仮名草子集成』第1巻は、昭和55年(1980)5月12日に発行された。
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近世文学の萌芽 仮名草子集成第一巻成る
室町末に発生した仮名草子は、従来の文芸の枠を超えて、新しい時代の気風をより多彩に開花させたものである。本巻では、後の評判記の原型とみられる『あつま物語』、中世御伽草子との橋渡しとなった『あた物語』、教訓ものとして代表的な『飛鳥川』、問答体の形式で展開される『秋寝覚』『あくた物語』、その他『浅井物語』『浅草物語』『愛宕物語』『安倍晴明物語』『阿弥陀裸物語』等全10編を収め、それぞれ厳密な校訂を期した。
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●これが、第1巻のオビの内容である。研究の遅れていた、近世初期の仮名草子にとって大きな励ましとなった。朝倉先生の御学恩に対して、私達仮名草子研究者は、感謝申し上げている。
●平成18年(2006)年発行の、第39巻から、朝倉先生御指導の下、新体制の編集委員で継続刊行して、現在、第49巻まで発行した。先生の後を継続担当している若い研究者は、朝倉先生の学問的情熱を継承し、全70巻の完結を目指して、先生の御学恩にお応えするはずである。
■『仮名草子集成』第1巻

■『仮名草子集成』刊行にあたって  朝倉治彦

■新体制による『仮名草子集成』全70巻の内容見本