東京国際ブックフェアと出版界

有明の東京ビックサイトで、今年も「東京国際ブックフェア」が、7月3日〜6日、開催された。私は、大学で出版文化史を講義していた頃は、学生の希望者と共に見学したり、「出版文化史」の掲示板で、その様子を報告したりしていたが、退職後は余り行かなくなった。
●今日の朝日新聞・夕刊によると、「国際電子出版エキスポ」も同時に開催され、日本の出版界も、電子出版との対応が重要なテーマとなってきた。KADOKAWAの会長・角川歴彦氏は、基調講演で、出版界の内部から革新しなければならない、と強調したという。
●日本の出版界は、出版社・取次・書店の三者が、強固な組織で統制されて、これまで歩んできた。そこにネットの波が押し寄せた。株式・ファンドの世界にネットが押し寄せたのと同様に、アタマをがらりと転換しなければ、上手く共生発展することはむつかしい。
●依然として、電子書籍のコンテンツが少ない、という声が多かったという。アメリカや韓国・中国など、外国との関連も、従来のように翻訳権を取得して、さて、というような段取りでは、この早い流れについてはいけないだろう。全て初経験の波の中で試行錯誤が続く。
東京国際ブックフェア