ロングセラー

●昨日の、朝日新聞夕刊に「売れて100歳 極意あり」が掲載され、三ツ矢サイダー、エビスビール、仁丹、森永ミルクキャラメル、ライオンこどもハミガキ、などを取り上げている。「進化すれど小細工は禁物」の見出しも。
●実は、サイクンが前々から、森永ミルクキャラメルを西友から買ってきて、懐かしい味だと、よくなめている。中箱の誕生にまつわる歴史を読んで、いたく感心していた。
●大手コンビニの担当者によると、菓子だけでも、毎年2000点の新商品が発売されるという。しかし、生き残るのは、10点ほどだという。森永ミルクキャラメルは、1粒売りから箱詰めへ、包み紙の素材の改良、などなど、常に進化はしているが、「風味絶佳・滋養豊富」の基本は保持しているという。
●話は変るが、私は大学へ移る前、実用国語辞典の責任編集をしたことがある。昭和7年(1932)、辞典づくりの鬼才・加島謙次は『和英併用 机上辞典』を発案し、高野辰之博士の助言を得て完成した。内容的にはゾッキ本的だった。しかし、優れたアイデア満載のこの辞典はロングセラーとなった。辞典部の責任者だった私は、社命でこの辞典の全面的な改訂を実行した。昭和57年(1982)全面改訂版を完成させたが、5年間にわたる改訂で、改訂費約1億円だった。
●私は、この時、この辞典のロングセラーの条件をトコトン解明した。維持すべき利点は維持・増幅し、改良すべき点は改良して完成させた。日本経済に、あのバブル現象が無ければ、今も、書店に並んでいたと思う。私の誇りとしている仕事の1つである。
■「売れて100歳 極意あり」 朝日新聞 デジタル 6月2日

■今も妻の食べている 森永ミルクキャラメル

■『和英併用 机上辞典』
 「はしがき」 深沢執筆

■深沢 デザイン