紫雲

●第266代ローマ法王が決った。システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がり、サンピエトロ大聖堂の鐘が打ち鳴らされて、この決定が世間に知らされた。
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 12日から続いたローマ・カトリックの法王選出会議「コンクラーベ」。第266代法王の座は、初の米州大陸出身者となるアルゼンチン人のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿が選ばれました。しかし、フランシスコ1世を名乗る新法王の前には早速、汚職など前法王が積み残した課題が立ちはだかります。中でも深刻なのは、聖職者による児童への性的虐待。ある女性は「神の罰」として神父から強姦(ごうかん)されたと訴えます。世界に1万人以上はいるとされる被害者の切実な声は、新法王に届くのでしょうか。 〔朝日新聞 より〕
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●この知らせは、黒い煙では未定、白い煙が上がれば決定、という決まりで、何かを混ぜて燃やすと黒い煙になるという。

紫雲「むらさき色の雲。めでたいしるしとされ、念仏行者の臨終などにあたって、阿弥陀仏がこの雲に乗って来迎(らいごう)するという。」(日国、2版)。紫雲であり紫煙・白煙ではない。しかし、通じるところもある。
●私は、昭和53年8月12日、恩師・重友毅先生の御葬儀に参列した。市原市の火葬場に行き、先生とこの世のお別れをした。一人、外に出て、煙突から立ち上る煙のゆくえを見つめていた。もくもくと黒煙が立ち上り続けた。どれほど時間が経ったか分からないが、黒煙は、瞬間的に、白煙にスッと変わって澄んだ色になった。私は、紫雲とは、これか、そんなふうに思った。先生は澄んだ白煙となって、紫雲たなびく大空へと旅立たれたのだ、そのように思った。
システィーナ礼拝堂の煙突の白い煙 〔朝日新聞デジタル より〕