ああ !! 高橋俊夫先生

●本日、高橋俊夫先生の奥様から、寒中お見舞いを頂いた。高橋先生は、昨年8月8日、80歳で御逝去なされた。
  心からお悔やみ申し上げます。
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高橋 俊夫(たかはし としお、1931年9月12日 - )は、日本の文学者。近世から近代にかけての日本文学の研究者。元清和女子短期大学教授。

1931年、当時の東京市本所区本所緑町(現在の墨田区緑)生まれ。旧制東京開成中学校卒、早稲田大学文学部国文学科卒業。稲垣達郎・岩本素白に傾倒、同人誌『鉄砧雲』に評論・翻訳などを発表。アテネ・フランセに通い、バカロレア資格を得る。法政大学大学院博士課程満期退学、重友毅長沢規矩也に師事し江戸文学・書誌学を研究、博士課程を修了。漢文学を竹谷長二郎に師事。東京都立第三商業高等学校教諭を経て、土浦短期大学、聖徳大学講師、清和女子短期大学教授。

著書
西鶴論考』笠間書院、1971.
荷風文学の知的背景』笠間書院、1975.
荷風文学閑話』笠間書院、1978
西鶴雑筆』笠間書院、1978
永井荷風と江戸文苑』明治書院、1983.国文学研究叢書
『近代作家と「江戸」』桜楓社、1987
『文学のトポス 日付のある文章』古川書房、1990
西鶴文学考』大空社、1996
折口信夫と近世文学』清文堂出版,2008.
共編著 [編集]『濹東綺譚の世界』重友毅共編著.笠間書院、1976.
鈴木金堤編『勝鹿図志手繰舟 影印・翻刻・注解』編著.崙書房、1980
永井荷風『濹東綺譚』作品論集成』1-4 大空社、1995.近代文学作品論叢書
永井荷風四畳半襖の下張」惣ざらえ』編著.大空社、1997
樋口一葉たけくらべ』作品論集』クレス出版、2001.近代文学作品論集成
永井荷風『つゆのあとさき』作品論集』クレス出版、2002.近代文学作品論集成
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●私は、近世文学研究を志した、本当に駆け出しの頃から、重友毅先生の日本文学研究会を通して、高橋先生には、大変な御指導を賜った。先生は、江戸文学が専攻であったが、近代文学にも精通され、英語・フランス語もマスターしておられ、俊才・俊英というイメージが強かった。愚鈍の私は、常に高橋先生に導かれて研究を続けてきた。
●高橋先生の最初の論文集は、昭和46年9月10日、笠間書院から発行された『西鶴論考』だと思う。実に充実した内容で、重友先生の序文が巻頭にある。この御著書の出版記念会が、8月28日、市ヶ谷の私学会館で行われ、重友毅先生・久松潜一先生・長澤規矩也先生をはじめ多くの先生方が出席されて祝福申し上げた。実は、この出版記念会に、私の『可笑記評判』も附録として加えて頂いた。私の本は、大した内容ではなく、申訳なく、恐縮したが、心から感謝申し上げた。
●昨年3月『如儡子百人一首注釈の研究』を献呈したが、御返事の内容が、少し気になっていた。高橋先生は、お体の状態が大変だったのだろうと推測される。
●この4月に出る雑誌『芸文稿』第6号には、重友先生のことや、日本文学研究会のことを書いた。現在、校正中であるが、これは、是非、高橋先生に見て頂きたいものであった。重友先生の最晩年の頃は、諸事、高橋先生と私で対応し、進めてきた。ゆえに、高橋先生には、この一文に、是非、お目通し頂きたかったのである。

残念でならない。

●もう1つ、感謝したいことがある。私を昭和女子大学へ推薦して下さったのは、高橋俊夫先生である。高橋俊夫先生 → 志村士郎先生 → 原田親貞先生 → 人見楠郎先生。この人脈で私は昭和女子大学に勤務する事が出来た。これも、忘れられない、高橋先生への感謝の念である。

高橋俊夫先生、本当に、有難うございました。

■高橋俊夫著 『西鶴論考』

■高橋俊夫著 『折口信夫と近世文学』