長谷川卓 名作 文庫化

●長谷川卓の力作・名作『嶽神忍風』全3巻が、講談社文庫・上下2冊として文庫化された(2012年5月15日、講談社発行、講談社文庫、上下2冊、定価各743円+税)。この作品は、中央公論社から出版され、2004年8月に完結した。当時、私は昭和女子大だったので、夏休みに入って、一気に読んだ。実に面白い。武田信玄亡き後の、武田家滅亡を時代背景として、描かれる。今回、文庫化に際して、巻末に、文芸評論家・細谷正充氏の解説が付けられた。「好きだ、好きだ」で始まる名解説である。

●この小説には、私の小さい頃育った、甲州駿河などが出てくる。「山の者」たちの、特異な世界、初めて出合う人々の生き方が、興味をひく。また、読みたいと思う。2004年8月、私は、こんな事を書いている。
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■2004/08/12 (木) 長谷川卓・『嶽神忍風』完結!!

●長谷川卓の『嶽神忍風・三 湖底の黄金』(全3巻、中央公論社、6月25日発行)が完結した。気になりながら、前期末の試験やら卒論指導などが立て込んでいて、なかなか読めなかったが、今日、一気に読み終えた。実に楽しく、実に勉強になり、また感動もした。
●作者は、甲斐国主・武田勝頼滅亡の後に、その第3子・若千代は生き延びた、という設定のもとに、物語を展開している。勝頼の3男ゆえ、勝三と名付け、山の者・多十と金山衆組頭の娘・蓮に守られて成長してゆく。
●完結編の「湖底の黄金」では、<墓場>の描写と御遺金発見の様が、実に見事に書かれていて、蓮を活躍させる地下の仕組みを上手く描いている。私など感心の連続であった。一読者の私は、当初、勝三の役割を勘違いしていた。結末部分の蓮と勝三の結びつきは、大いに感動させる。楽しい一時を享受した。作者の想像力と研鑽に感謝。
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■『嶽神 上 白銀渡り』

■『嶽神 下 湖底の黄金』

甲州 富士川沿いの 身延道


■中央上部の 原小学校 で 私は学んだ