科学論文の現状

●今日の朝日新聞、高橋真理子氏のレポートによると、日本の自然科学界が振るわないらしい。科学技術政策研究所の最新の調査結果によると、科学論文の世界シェアの最新結果では、アメリカ27.5%、英12.0%、独11.0%、中9.2%、仏7.4、日本5.9%、とこのところ、日本が低迷しているという。グラフを見ると、95年頃は、フランス・中国よりも日本が上だった。殊に最近の中国の上昇が著しい。どうしたのだろう ?

●2、3日前、Yagiken Web Site の八木健吉氏が、「日本の研究は「はやぶさ」だけではない」とレポートしている。八木氏は、科学雑誌サイエンス誌が選んだ、2011年の10大トピックスに日本の研究が2つ選ばれている、1つは「はやぶさ」、もう1つは「光化学系Ⅱ複合体の構造」に関する基礎的な研究だと言う。八木氏によれば、この2つ目の研究者の姿勢は、とにかくコツコツと良い結晶を得ることを目指して、地道に努力するタイプであって、その研究成果が、今回、高く評価されたことに、感慨深いものがある、と言っておられる。

★Yagiken Web Site  → http://yagiken.cocolog-nifty.com/

●私は、どちらかと言えば、ラフな文学研究に身をやつしてきたが、実は、現役時代、昭和女子大学の近くの喫茶店で、毎朝、理系の岡村先生とお話して、いろいろ、自然科学の研究方法について御指導を頂いた。岡村先生は皮革研究の権威で、世界大会の学会で司会をされるほどの方だった。先生が戦後日本の研究の道を拓かれた苦心談も、私にとっては、貴重な研究上の財産として活用させて頂いた。先生は、副学長の時、お体をこわされて、この事が残念でならなかった。昭和女子大学の中で、最も長い時間を割いて、御指導下さったのは、岡村浩先生であった。

朝日新聞 1月12日