上野の森の第九

●今日は、上野の東京文化会館、大ホールで、東京労音合唱団の第九演奏会を聴いた。友人の松本君の誘いで、昨年に続いて2回目である。今年は、妻と息子も一緒に楽しんだ。上野精養軒で、見事な景色を眺めながら美味しい昼食。管弦楽は日本フィル、指揮はケン・シェ。東京労音のスタートは1953年だという。60年近い歴史を持つ。誠に見事な合唱であった。演奏も指揮も素晴らしい、と妻は感激していた。

●シラーの「歓喜の歌」の詩に、ベートーヴェンは、

  おお、友よ、この調べではない!
  もっと快い、歓びにみちた調べを
  歌いはじめよう。

と自ら創って、冒頭に追加したという。

●私は、大学生の頃、ロマン・ロランの『ジャンクリストフ』や『ベートーヴェンの生涯』などを読んで、非常な感動を覚えた。そこには、自分の是とする芸術に対して、誠実に向かい合って生きている一人の芸術家がいたからである。こんな生き方をするのも悪くは無い、そう、真剣に思った。

●今日は、尊き友と、妻と息子と、得難いひと時を得て幸せに思った。

■第118回 第九演奏会

ベートーヴェンの墓、ウィーン 中央墓地
 1997年、ツアーの自由時間を利用して見に行った。