上田市立図書館の野田文庫

●昨日、長野の教え子から手紙が来た。その後、お元気ですか、という御機嫌伺い。もう、かなり前の卒業生で、新宿のデパートに就職した。3年後に辞めました、と連絡があり、今度、和服の仕立を修業中です、とあり、自作の着物をデパートに納めました、とあった。今は、上田に帰り、2児の母親。ヒマヒマに着物を縫うが、西陣のハイクラスの生地の場合は、手が震えるとも言っていた。

●上田と言えば、上田図書館を思い出す。最初に行ったのは、『可笑記』絵入本の調査であった。昭和44年3月16日、上野発6時48分、上田着9時42分、信州1号。当時、館長は、岡部忠英先生、法政の大先輩ということもあり、大変な御配慮を賜った。花月文庫は有名で、良い本がたくさんあった。宿泊はせず、夜行で帰ったが、篠ノ井駅のホームで降り出した、大きな雪が、フワリ、フワリと落ちる様子は、今も忘れられない。

●ふと、思いついて、上田図書館の蔵書を検索してみたら、私の本は20点あった。長野県立図書館の17点よりも多い。しかも、昭和45年に自費出版で出した『可笑記評判』がある。詳細を見ると、「野田文庫」とある。野田寿雄先生の御蔵書が寄贈されたとは、伺ったことがある。多分、私が野田先生に献呈した本であろう。あるいは、『桜山本 春雨物語』や『神宮々司拝命記』もその可能性がある。上田図書館には、その後も、何回かお世話になっているが、今度、野田文庫を閲覧させて貰いたいと思う。

■現在の上田市立上田図書館