『張黒女墓誌銘』の楷書体

●今回の「齋藤筑後守記念碑」の碑文の書は、昭和女子大学講師の承春先先生の清書である。承先生は、書体の選定に当って、北魏・普泰元年(531)に刻された、『張黒女墓誌銘』の楷書体で書いて下さった。

■「『張黒女墓誌銘』は、鋭さの筆法もあれば、繊細で力を抜いたような筆致もあります。また、激しい変化を見せず、隷書のような穏やかで自由な書き方も点在します。石刻でありながら筆蝕感をもち、変化に富んだ北魏書らしくない、楷書に隷書の要素を含んだ書風・・・」

●承先生は、このように解説され、これこそ、15代まで絶える事無く続いている齋藤家の記念碑にふさわしい、と思われたと申される。有難い、御配慮で、この度の記念碑を建立できたことに、心からの感謝と御礼を申し上げる。

●先生は、まず、二分の一の大きさで、朱筆で書いて下さった。バランスを確認して、その後、原寸の作品を仕上げて下さった。また、仕上げ段階には、郡山の石材店に行き、直接、石に書いてもよい、とまで申された。ただ、ただ、感謝している。

■承春先先生の書