長谷川卓 最新作 『雨乞の左右吉捕物話 狐森』

●長谷川卓の最新作、書下ろし 『雨乞の左右吉捕物話 狐森(きつねもり)』が出た(2011年7月15日、徳間書店発行、638円+税)。早速、読み始めた。例によって、筆力のある作家の作品は、読ませる。第2章の途中まできた。向柳原の御用聞き・富五郎の手下の左右吉が活躍する。物語は、若い頃からの悪友・豊松の探索から始まる。豊松探索は、富五郎の命令ではなく、左右吉が自主的に行う。悪さをしていた仲間の豊松は、一念発起、改心して真面目に働きだした。その豊松が1年前、ふっと行きかた知れずになった。悪友への思いが左右吉を動かす。探索はきめ細かく続く。物語は佳境に入ってきた。

●ここまで、読んできたが、急に、私の身辺が忙しくなってきた。作者には済まないが、一旦、中断せざるを得ない。オビには、

「消えた悪友を探す左右吉 見え隠れする悪所の因縁 
 苦界を断ち切りたい 深川縁(ゆかり)の女たち」

とある。いずれ、落着いたら、続きを読みたい。

●それにしても、長谷川卓の作品は、全て「書下ろし」である。以前は、まず、雑誌に連載して、完結後に単行本にするケースが多かった。故に、書下ろしは、特筆すべき新作であった。それが、この頃は、単行本の書下ろしが主流になってるのだろうか。

■長谷川卓 最新作 『雨乞の左右吉捕物話 狐森』