偉人の伝記

朝日新聞に「印象深い偉人の伝記」という特集が載った。アスパラクラブの会員にアンケートを行い、日本・外国の「偉人」約60人を選択肢にして、5人を選んでもらった結果だという。

1位 野口英世
2位 ヘレン・ケラー
3位 マリー・キュリー
4位 トーマス・エジソン
5位 アンネ・フランク

6位坂本龍馬、7位フローレンス・ナイチンゲール、8位マザー・テレサ、9位伊能忠敬、10位マハトマ・ガンジー と続く。回答者は2402人だという。私もアスパラクラブの会員であるが回答はしていない。回答はしなかったが、この結果に大変満足である。貧乏家庭に育ち、やけどの障害を負いながら、母親の限りない愛情に支えられた世界的な細菌学者、野口英世。目・耳・口が不自由な自分の苦悩を負いながら社会福祉事業に尽力したヘレン・ケラー

●人間の一生は短い。その短い時間を何のために費やすか。私は、日本文学の特に近世文学の研究に生涯を消費したが、非才な私の為した事など、本当に微々たるものである。振り返ってみると、歴史上の人物の伝記も何人か書いた。斎藤親盛(如儡子)、井関隆子、鹿島則文鹿島則孝鈴木重嶺、飯田龍一・・・。私は小説家ではないので、伝記小説は書けない。ただ、小説家が、その人物の魅力を引き出すために努力しているのと同様に、その人物に敬愛の念を抱かずには、良い伝記は書けないと思う。そうでなければ、伝記は書くべきでは無いと思う。

朝日新聞 3月26日