〔自炊〕代行

●ネットの社会で〔自炊〕とは、自分で自分の食事をつくる事、ではなく、自分で、漫画や雑誌・書籍などを電子化する事、である。かなり前に、書籍を送れば、電子化してくれる商売が登場した。ただし、元の書籍は返却してくれずに断裁してリサイクルに廻すシステムだつたように思う。面白い商売もあるものだと思ったが、電子書籍端末の急速な開発とともに、自分で電子化を行う人が増えたという事であろう。それで、こんなスラングも登場したのだろう。

●〔自炊〕=書籍などを分解して、スキャナーで読み込み、電子化して電子書籍端末などで読むことで、それ自体は、文明の利器の利用で、どうという事はない。しかし、今度、秋葉原に登場した「自炊の森」は、このスタイルを商売にしたので、著作権法の上で問題である。今日の朝日新聞によれば、店内に断裁が済んだ書籍が並べられていて、スキャナーも用意されていて、客は書籍を選んで自分でスキャンして電子化されたデータを持ち帰れるらしい。料金は書籍の定価の40%だという。

●図書館などでも、最新刊雑誌のコピーは許可されず、書籍でも一定期間経過しないと、全冊複写は出来ない。これらは著作権の保護のためである。過日もアツプルのストアに海賊版が現れて話題になった。著作権・出版権などの法的措置を急ぐ必要があろう。

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朝日新聞、2011年1月9日