日本料理 「青山えさき」

日立市の教え子が、久し振りに東京へ出るので会いたいという。国文での教え子であるが、随分、律儀な方である。毎年、年賀状をくれて、生活に変化があると報告をくれる。高校の教員をしながら、近代文学を研究しているが、その生き方が多彩で、魅力的である。仮名草子一筋の私などには考えられない人生を歩む。

●渋谷のハチ公で落ち合って、まず喫茶店で近況報告を聞く。彼女の人生に大きな変化があった。しばらく語り合い、夕食は青山へ行くという。言われるままについて行くと、店は神宮前のビルの地下にあった。入口の大きな暖簾が実に良い。料理人のカウンターも見える、小ぢんまりとした瀟洒な日本料理の店。

●佐島の蛸、紀ノ川の鮎、北海道のちっちゃなトマト、きんきの煮付け、とうもろこしの御飯・・・。一つ一つの食材に、初めて出会う感激があった。私は、魚の食べ方が下手である。義父の宮大工・海老鉄氏の見事な食べ方に何度感嘆したことか。しかし、この度の鮎は、丸ごと、全て頂くことが出来た。長年の悩みが解消された。料理人・江崎新太郎氏の食材への飽くことの無い挑戦に感謝した。

■日本料理 青山えさき