橘東世子・道守展

三重県朝日町の朝日町歴史博物館から「明治の歌人 橘東世子・道守展」の資料を頂いた。同博物館の学芸員・竹内弘光氏から、松浦詮の『蓬園月次歌集』に関して問合せがあったのは、かなり前の事であった。菅野貴子氏と私で『芸文稿』第2号に松浦詮編『蓬園月次歌集』を紹介したのがきっかけであった。

●江戸時代の国学者橘守部は、伊勢国朝日町の出身。橘東世子は江戸に生れたが、守部の和歌の教えを受け、守部の長男・冬照と結婚した。冬照・東世子の間に長女が生れたが早く他界してしまう。そこで、吉田家から道守を養子として迎える。言ってみれば、橘家は、守部→東世子→道守、と国学・和歌で継承された一家とも言えよう。

●橘家と平戸藩・松浦詮の家は、やはり、国学・和歌などの文化の面で深い関係があり、そこで、鈴木重嶺を研究していた私と竹内弘光氏の交流が生れた、簡単に言えば、そんなところである。いずれにしても、幕末・明治の文化に関する調査・研究は、まだまだ未開拓の点が多く、今回のように、展覧会が行われ、多くの人々に関心を持って貰うことは大切で、その点、朝日町歴史博物館の活動に感謝する。そして、さらに、調査・研究を重ねて、幕末明治の文化に光をあててもらいたい。

●今日は、嬉しい知らせを頂いた。



■「明治の歌人 橘東世子・道守展」



■松浦詮編『蓬園月次歌集』