暑中見舞い

●この時季、暑中見舞いを頂く。ただし、私は、せいぜい年賀状までで、暑中見舞いは出さない事にしている。大体の方は、こちらの方針を理解してくれて、だんだんくれなくなる。それでも、こちらの方針など無視してか、御自分の方針を堅持してか、毎年、下さる方がいる。有り難いことである。

●毎年、毎年、欠かさずくれる友人がいる。大学以来、お互いに、仮名草子を研究してきて、現在も続けている。指導教授は重友先生。先生から、2人、力を合わせて研究を続けなさい、と仰せつかって、そのお言葉に従って、現在まで研究してきた。志賀直哉の作品のように、友情を蝕まれることもなく、今日まで仮名草子研究に勤しめた事は、有り難いと思う。

●田中君からの、今年の暑中見舞いの返事に、冨樫省艸刻「人間探究」(縦90ミリ×横22ミリ)の印文を捧げた。彼と私には、この印文の意味はよく理解できるものである。恩師と友と、有り難い人生を賜った。

■■ 暑中見舞い  冨樫省艸刻「人間探究」