7月は 『幽 13』 で始まる ?

●予約していた、『幽』13が届いた。背には「日本初 怪談 専門誌」とある。怪談小説・怪談実話・怪談漫画が満載。それに、第1特集が「女たちの百物語」、第2特集が「二百一年目の上田秋成」、第3特集が「書き下ろし競作、平成・雨月・物語」と、「怪談尽くし」の雑誌である。344頁の労作。

●『芸文稿』第3号に、森鴎外の百物語の力作を発表した、中島次郎氏が「虚構の百物語 鷗外「百物語」関連の新資料を紹介しつつ」を執筆されている。見開き2頁であるが、内容は濃い。貴重なポイントを披瀝しておられるが、いずれ、詳細は学術誌の発表を待ちたい。

●第2特集の上田秋成も面白い。鷹西鉄男氏訳の『山霧記抄』や、岩井志麻子氏・堤邦彦氏・東雅夫氏の座談会を収めている。

●ちょうど、今日の朝日新聞の夕刊に、長島弘明氏が「秋成没後200年展 画家との交友たどる 怪異作家 雅と俗」を執筆しておられる。呉春宛書簡、山口素絢宛書簡に関して述べておられる。『雨月』をまとめ、『春雨』の推敲に命を削りながら、この世を去った秋成の一面が伝えられている。

■■『幽 13』 

■目次


■中島次郎氏の論考