2つの訃報

●5月18日午後6時30分、斎藤ミサヲ様が97歳で御他界なされた。斎藤親盛(如儡子)の御子孫、第12代・興盛氏の奥様である。興盛氏は、昭和44年に61歳で他界された。奥様は、その後、今日まで、斎藤家の中心的存在として、武家の家風を守って来られた。私は、興盛氏にはお会いできなかったが、奥様には、何度もお会いする事が許され、伝統ある武家の一家を采配するお姿に出合ったことがある。

心から御冥福をお祈り申し上げます

●現在進行中の「斎藤親盛(如儡子)関係者生没一覧」に加える事にした。

訃報 梶木剛さん73歳=文芸評論家
梶木剛さん73歳(かじき・ごう<本名・佐藤春夫=さとう・はるお>文芸評論家)19日、食道がんのため死去。葬儀は23日午後1時、千葉市美浜区高洲4の7の7の博全社美浜儀式殿。喪主は妻満洲子(ますこ)さん。(毎日新聞、2010年5月20日 2時31分)

●梶木剛は、法政大学の学生の頃から、『試行』に文学評論を発表していて、私は出会った時、はるかに先輩と思っていたが、実は、私より1歳年下であった。『古代詩の論理』『斎藤茂吉』『夏目漱石論』『横光利一の軌跡』『長塚節』『柳田國男の思想』『正岡子規』『旅情の行程』『写生の文学』・・・。次々と溢れる執筆意欲を万年筆に託した。私は、これらの著作を全部読んだ。文学評論の役割を十分に表現した1冊1冊であった。73歳、まだまだ、書き、出す、事の出来る年齢であった。無念であったことと思う。

心から御冥福をお祈り申し上げます。

●私は、心から大切に交流して頂いた、お二人の告別式に、事情があって参列できない。誠に、申し訳なく、残念に思う。

■■『斎藤茂吉』1970年5月31日、紀伊国屋書店発行

■『旅情の行程』平成11年8月21日、短歌新聞社発行

■『写生の文学』平成13年3月4日、短歌新聞社発行