『藝能文化史』 第25号 (最終号)

●今日、『藝能文化史』 第25号が届いた。最終号である。表紙には版本の挿絵から採ったらしく、2人の武士が唐傘をさして顔をかくし、雨を防ぎながら橋を渡る様子が描かれている。芸能文化史研究会の創立は、昭和52年だという。53年に第1号が創刊され、今回まで継続刊行し、第25号となった。私は、購読会員として毎号拝読、貴重なお教えを頂いた。

●第25号の最終号の、江本裕先生の編集後記を読むと、この研究会の創立と経過と研究会の活動終了、機関誌発行終了のおおよそがわかる。33年間の活動と25号の研究誌発行は、多くの実りを後世へ伝えるものとなった。この学恩に、改めて心から感謝せずにいられない。

●私も、平成19年に学術刊行物『文学研究』95号の最終号を出した経験がある。重友先生を中心にして、先輩たちが、昭和28年に創刊した雑誌である。54年間の研究活動に終止符を打つのはつらい。

●私達は、『近世初期文芸』という雑誌を、昭和44年創刊した。昨年末に、第26号を出した。また、平成20年には、『芸文稿』という雑誌を創刊し、この4月に、第3号を出した。これらの雑誌も、いずれは、終刊の時を迎えるだろう。研究し、出版への夢を追う私たちには、いずれ、終息の時が訪れる。

■■『藝能文化史』 第25号 (最終号)

■■『文学研究』 第95号 (最終号)