坂東眞理子著『錆びない生き方』

昭和女子大学学長・坂東眞理子先生の近著『錆びない生き方』が出た(2010年3月30日、講談社発行、新書判,224頁、800円+税)。早速買って読んだ。実に為になる実用的な内容である。

○1ヵ条 錆びない生き方
○2ヵ条 貯蓄より「貯人」
○3ヵ条 夫婦の人間(じんかん)距離
○4ヵ条 子どもを自立させる
○5ヵ条 地域と若者とかかわる
○6ヵ条 仕事との新しいかかわり
○7ヵ条 ブラチナの生き方――心を深める

●この目次の見出しからも分かるように、前著『女性の品格』とは異なり、女性に焦点を置くのではなく、女性も男性も、つまり「人間」の生き方について論じたものである。論じたと言っても、決して難しく書かれてはいない。現実の諸相をベースにして、分かりやすく書かれている。アインシュタイン、『孔子家語』、『とはずがたり』、韓非子、サムエル・ウルマン、トーマス・カーライル、クラーク博士 の金言をよりどころにして全体をまとめている。しかも、必要に応じて、有料老人ホーム協会や福祉・介護に関する情報などの注記を付けている。かた苦しい人間の生き方論ではない。しかし、随所に読者を納得させる著者の人生哲学が詰まっている。

●機械も古くなり、使用しないと錆びて動かなくなる。私は、現役の頃、大学の帰りは、大西先生のマークⅡに乗せてもらったが、様々な車に出合う。トヨタニッサン・ホンダ・マツダ・すずき・ベンツ・アウディBMWプジョー・・・。しかし、どうしても、富士重工は出るが、スバルが出てこない。そこで頭脳の回路の錆を取って復活させようと、富士重工の車に出合うと、『群像』『文学界』『文藝』『新潮』と回転させる、次は当然『すばる』が出てくる。現在は、瞬間的にスバルが出るようになった。

●この度の、坂東先生の新著も、多くの人々に迎えられるだろうと思う。

■■坂東眞理子著『錆びない生き方』

■■『女性の品格』2007年に出版されて、240万部を突破。これは、2007年ベストセラー総合1位になった記念に出された特装版。

■■拙著『旗本夫人が見た江戸のたそがれ』2007年11月20日、文春新書
2008年4月、第6刷までいったが、部数の上では、坂東先生の『女性の品格』の足元にも及ばない。