伊藤左千夫の短冊

●『伊藤左千夫と近代歌人の短冊――アララギ派を中心として――』(山武市郷土史料集13、平成22年3月31日、山武市教育委員会発行)が刊行された。伊藤左千夫は、千葉県山武市で生れた。正岡子規に師事し、子規の没後、短歌雑誌『馬酔木』『阿羅々木』を刊行し、根岸短歌会の中心となって活躍した。大正2年(1913)没、享年50歳。

●この史料集には、伊藤左千夫の短冊、60点以上をはじめとして、根岸短歌会系、あさ香社系、竹柏会系、房総の旧派歌人、と分類して、近代歌人の短冊を多数収録している。資料編には、各歌人の略歴、系譜、「近代短歌の流れ―伊藤左千夫と房総の歌人たち―」を収める。編集・解説は、加藤時男氏と川島秀臣氏が担当しておられる。

●竹柏会系には、佐佐木弘綱・佐佐木信綱と共に、鈴木重嶺の短冊も収録している。

「朝鶴 あさほらけ君を八千よとよはひつる其舞ふさまを打あふき見む 八十叟 重嶺」

■■『伊藤左千夫と近代歌人の短冊――アララギ派を中心として――』

■同書の口絵 

鈴木重嶺の短冊