東京労音の「第九」

●昨日は久し振りに上野へ行った。松本君が労音の2009年「第九」演奏会に行こうと誘ってくれたので、喜んで出かけた。松本君の知人の塚田さんと3人で、上野精養軒で昼食をしながら、しばらく語り合って、大ホールへ。東京ニューシティ管弦楽団、指揮は内藤彰、合唱は2009労音第九合唱団。素晴らしいひと時を頂いた。私は生で聞く第九は初めてで、演奏も合唱も感動のアッという間であった。塚田さんは音楽に詳しく、合唱に対して批評していたが、私には、300人近い合唱団の一人一人の声がみごとに融合し、内蔵に伝わってきた。

●「歓喜の歌」の歌詩全訳を松本君がくれた。「おお、友よ、この調べではない! もっと快い、歓びにみちた調べを歌いはじめよう。」この歓喜の歌は、欧州連合の統一性を象徴する歌として採択されているという。また、ベートーヴェンの自筆の楽譜などは、ユネスコの「世界の記録」に登録されているともいう。

●この作品は、ベートーヴェン最晩年の大作であるが、ロマン・ロランの『ベートーヴェンの生涯』によれば、現実には、友や親戚の人々など、大変な苦しみを抱えながら、この作品に取り組んだと伝えられている。私は、若い頃、ロマン・ロランの、この作品を読んで、芸術家の大いなる宿命と崇高なる生き方に落涙し、生涯尊敬し続けようと誓った。

●1997年8月、友人とウィーンを訪れた。午前中、自由時間があった。何はともあれ、中央墓地のベートーヴェンの墓に行きたいと、仲間に頼んで連れて行ってもらった。路面電車に乗って中央墓地に着き、ベートーヴェンの墓の前に立った時の感動は、生涯忘れられない。

■■2009年 東京労音「第九」演奏会


■■ベートーヴェンの墓 1997年(平成9年)8月14日 撮影 NIKON−F801