電子申請 苦戦

●11月30日付の朝日新聞によると、都道府県は電子申請制度を導入したが、利用率低迷でコスト高となり、19の府県がこの制度を休止または縮小しているという。1件当りの運用コストも、沖縄が9万1463円と最も高く、1万円超の県が22と半数に近いという。日本全体のネット環境はまだまだ、ということであろう。この現実は十分認識する必要がある。だからと言って、事業仕分けで、即廃止判定に結びつけるのではなく、ASP方式の導入や「ネットでぽン」のような、簡単なソフトを考え出して、国民全体に普及させてゆくことになるのだろう。

●私個人としての状況はどうか、と言うと、大学を定年になって、一番心配だったのは、図書館利用と交通の定期券であった。図書館は定年後も使用できる図書館利用証を発行してもらい、定期券は、この頃普及し始めたSUICAに切り替えた。ところが、私は、定年後、1度も大学図書館へ行っていない。それどころか、国立国会図書館へも、1度も行っていない。この年にスタートした、ネットによる複写サービスを活用すると、さほど不便は感じない。ネットで申請すれば、郵送してくれる。資料によっては、「日本の古本屋」で入手しても良いし、新刊は、Kinokuniya Bookweb を使う。

●電子申請は実に便利であり、大いに利用してゆくことになろう。国民全体からすれば、ネット環境は、まだ不十分であろうが、どんどん改良して、誰でもポンポン利用できる簡単システムを開発すべきだろう。個人情報の管理は要注意である。

■■朝日新聞 2009年11月30日