『近世初期文芸』 第26号 責了

●本日、『近世初期文芸』第26号が責了になった。例年よりも少し遅れ気味であるが、年内には発行できるものと思う。

○漂流物語の挿絵に表れた異文化認識・・・・・・・・・・・・位田 絵美
   ――『異国すずり』を中心に――
○『恨の介』と『竹斎』 (その二)・・・・・・・・・・・・田中 宏
○『桜山文庫目録 和書之部』(下)・・・・・・・・・・・・深沢 秋男
   ――付、昭和女子大学所蔵「桜山文庫」について――
仮名草子関係新刊書・目次紹介・・・・・・・・・・・・・・深沢 秋男
 『浅井了意全集』仏書編 1 
 『信長公記を読む』(歴史と古典)
 『仮名草子集成』第四十五巻
 『浅井了意全集』仏書編 2

●この号で、残念なことは、柳 牧也氏の論文を掲載できなかったことである。このところ、毎号、仮名草子論を発表しておられ、今回も『可笑記』論の続稿をお寄せ下さることになっていた。実に誠実・几帳面な人柄で、8月の末に連絡を下さった。6月ころから体調が思わしくなく、そのような状態の中で、研究を進めてきたが、ついに、ダウン、緊急入院してしまった。未完の原稿を送る訳にもゆかないので、今号は無理、御了承を・・・。というもの。私は、ギリギリまで待つので、御健康に留意されながら、是非ともまとめて欲しいとお願いしていた。

●柳氏は、11月1日、他界されてしまった。75歳であった。残念でならない。

●柳氏とは、私たちが、この雑誌を出し始めて間もない頃からの付き合いである。途中にブランクはあったが、長い付き合いである。特に、私は、柳氏の論文発表の前段階からの交流を持ち、お互いに、仮名草子研究に関して、意見交換してきた間柄であった。仮名草子研究の問題点を鋭く指摘され、多くの事を教えて頂いた。柳牧也氏には、もっと、もっと、多くの論文を執筆頂きたかった。

▼▼柳氏の御研究に対し、心からの感謝を捧げ、御冥福をお祈り申し上げる。

■■『近世初期文芸』第3号 昭和48年(1973)12月発行
   この号に、柳牧也氏は、仮名草子の『竹斎』論を発表している。