「向井コレクション」 専修大学図書館へ

●今日の朝日新聞夕刊の記事によると、故向井信夫氏の収集した膨大な江戸後期の、読本・談義本・洒落本・滑稽本の原本、約4千作、3万5千冊が、専修大学図書館に移譲されたという。この膨大な蔵書を整理されたのは、同大学の板坂則子教授だというが、板坂教授の学問的情熱が、向井氏の、この貴重な蔵書を分散させずに、専修大学の所蔵に導いたものと、このことに敬意を表する。

専修大学は、このコレクションの一部を、池袋の東京芸術劇場5階のギャラリーで展示するという。11月17日〜22日、入場無料。問い合わせは、専修大学図書館(044・911・1274)。

●私は、昭和59年(1984)に桜山文庫の所蔵者・鹿島則幸氏から、鹿島則文のコレクション「桜山文庫」の移譲先を一任された。約1万冊である。結果的には勤務先の昭和女子大学図書館に、一括移譲が実現したが、それには、中村幸彦先生はじめ、多くの方々の御助言があって初めて実を結んだのである。依頼されてから納本完了まで、約2年間を要した。そんな経験があって、板坂先生に敬意を表するのである。

■■朝日新聞・夕刊 2009年11月12日