韓国 ・ 仏国寺 ・ 釈迦塔 の 「無垢浄光大陀羅尼経」

法隆寺に伝わる百万塔陀羅尼経は、印刷が木版か銅版か意見が分かれている。印刷された用紙の検討もされ、用紙へのコーティングの問題も関連し、未だ決着はついていないと思うが、どうだろう。その後、結論は出たのだろうか。

●もう1つ、この日本の百万塔陀羅尼経が、現存最古の印刷物である、という点にもう1つの問題が関係していた。それは、韓国・慶州の仏国寺大雄殿の前庭にある釈迦塔の中から発見された、「無垢浄光大陀羅尼経」との関係である。

●昭和40年(1965)に仏国寺大雄殿前庭にある釈迦塔の中から「無垢浄光大陀羅尼経」が発見された。これは、木版刷だったと言う。仏国寺は535年に創建されたが、751年に堂塔伽藍の大造営が行われ、その時、この釈迦塔も建立された。記録によると、以来この塔は1度も開かれていない。従って、この「無垢浄光大陀羅尼経」は法隆寺の百万塔陀羅尼経よりも20年以前のもの、という事になる。現在、ソウルの国立博物館に秘蔵されていて、この原物を日本人研究者は見ておらず、真偽の程は未詳ということらしい。公開が望まれる。

●私は、2004年9月16日、韓国の旅の折、仏国寺を訪問して、この釈迦塔も拝見したが、案内板には、この「無垢浄光大陀羅尼経」に関して、特に説明はされていなかった。

■■韓国・慶州の仏国寺 2004年9月16日、FUAKI撮影

■大雄殿 

■大雄殿の正面に向かって左に多宝塔、右が釈迦塔。この釈迦塔は正式には、仏国寺三重石塔といい、高さ10メートル40センチである。