『仮名草子集成』 全70巻 刊行中

●昨日、東京堂出版から『仮名草子集成 全70巻(刊行中)』(朝倉治彦菊池真一・花田富二夫・深沢秋男 他 編)の内容見本が送られてきた。全70巻のうち、45巻までは発行済みである。45巻までに収録した作品は、約170点である。私が大学の卒論に仮名草子の『可笑記』を選択した頃の仮名草子作品は、約170点余であった。この『仮名草子集成』は、今後も刊行を継続し、全70巻に300点の作品を収録する予定である。

●『仮名草子集成』は、昭和55年(1980)5月12日に第1巻が発行された。編者は朝倉治彦氏である。近世文学の中でも、浮世草子西鶴や、俳諧芭蕉や、浄瑠璃近松とは異なり、仮名草子は地味で、一般の人々には馴染みが薄い。当然、売れる本では無い。当初は文部省の出版助成金を受けてスタートした。第39巻から、菊池氏・花田氏と私が編集を担当し、さらに若い研究者の協力を得て今日に及んでいるが、第1巻発行から30年になる。この間、品切れもあって、全巻の購入が出来なかった。そこで、今回、新しい増刷方式のオンデマンド版で復刊し、全巻を揃えた訳である。このように地味な出版物ではあるが、日本文学の歴史を考察する上では、極めて貴重な資料である。この出版を長期間にわたって継続して下さる、東京堂出版に対して、研究者として、心から感謝している。

■『仮名草子集成』全70巻 の詳細→http://www.ksskbg.com/kanabun/news.html

■■『仮名草子集成』 全70巻 刊行中 の内容見本