生化学検査報告書

●2ヶ月おきの血液検査の結果を、今日頂いた。最近は斉藤医院の土曜日の診察は、若先生になった。渡された検査結果はほぼ良好。総蛋白6.6、AST27、ALT35、GTP25、CPK225、中性脂肪88、HDL50、LDL116、尿酸4.7、尿素窒素18.8、クレアチン0.79、血糖99、ヘモグロビン5.8。先生からは、この調子で、食事と散歩などを続けて下さい、と指示された。

●2人で話し合っていたら、大先生が診察室に見えられて、急いで奥に行って、紙袋を持って戻られた。中から『井関隆子日記』上中下の3冊を取り出して、以前に頂いたものです、と申された。斉藤内科には、法政の広末保先生も、かつてお世話になり、その後に私がお世話になっている。斉藤先生は、広末さんの本は実に面白い、と言われて、よく読んでおられた。それに引替え、私のものは、いずれも特殊過ぎて、差し上げるものは無かった。せめて、と思ったのが、この日記。しかし、古文であるから、なかなか、読めなかったと申された。

●この日記の、現代語訳も、あるいは必要かな、とも思った。以前、ある出版社から、現代語訳の依頼があったが、それは、お断りした。現職の時で、まだ、『・・・の研究』もまとめていなかったからである。今なら、あるいは引き受けていたかも知れない。しかし、いくら、血液検査結果に問題が無くても、いつポックリ逝くか知れない。現代語訳の前に、やるべき事があるでしょう。と、もう1人の私は、囁いている。

■■『井関隆子日記』上巻の巻頭。勉誠社版、昭和53年(1978)発行。