山本秀樹氏の労作 『江戸時代の三都(江戸・京都・大阪)出版法制の比較研究』

山本秀樹氏の『江戸時代の三都(江戸・京都・大阪)出版法制の比較研究』が出た。これは、出版社からの発行ではなく、科学研究費補助金を活用しての研究成果であり、それを、ある部数印刷して研究者に頒布したものである。山本氏は「前言」で、

 「本表の中で、解説に価すると思われる事象に関しては、今後の論文執
 筆を予定してはいるけれども、正直、江戸時代は長い。私のごとき不敏
 の個人の記憶力、調査力の限界を超える長さである。この表は、この表
 として公表しておけば、これをきっかけとしてこの分野の研究を深めて
 下さる方がいるかもしれない。――このように思い、科学研究費補助金
 の成果報告書として印刷するものである。」

と述べておられる。

●江戸時代の三都の出版の比較は、実に重要なテーマであり、これまでも研究されてはきたが、それらは、必ずしも網羅的ではなかった。今回の山本氏の4年間にわたる研究の成果を拝見して、同じ江戸時代の出版文化に興味をもつ者として、感謝の念が大きい。それに、氏が「前言」で示した、研究姿勢に共感する。私も、研究主題によっては、これと同様な態度で、資料そのものを、手付かずのまま、加工せずに公開してきた。故に、共感できるのである。
★『江戸時代の三都(江戸・京都・大阪)出版法制の比較研究』の詳細→http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm

■■山本秀樹著『江戸時代の三都(江戸・京都・大阪)出版法制の比較研究』