被団協の貴重資料の調査

昭和女子大学facebookに松田忍先生の、次のような書き込みがあった。以前にも資料調査の報告はあったが、今日の新聞報道で、さらに貴重なお仕事であることがわかった。
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こんにちは、松田忍です。
夏休みに入り、今年も被団協文書整理会がスタートしました。今年は昨年より多い19名の学生・OGのみなさんが参加する予定となっています。被爆者運動関連史料の整理を主宰しているノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(継承する会)には、現在、個人や団体に残る史料が次々に集められてきている状態だそうでして、そうした被爆者運動関連史料の中心の一つである被団協文書を整理して、その他の史料と比較検討する準備を整える必要性がますます高まってきているといえます。
年月が経つとともに被爆者の数も年々減り続け、たとえば秋田県在住の被爆者は数十人規模まで減少しているそうです。規模の小さい団体が後継者を得られず、活動を休止していくということも現実に起こっているという状況にあって、まだ団体の「体力」が残っているうちに、活動の記録を残しておきたいというのが、継承する会の意向だそうです。
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●この活動を中国新聞が取材して、その記事が掲載された。
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NPO昭和女子大生、被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の資料整理 被爆者運動の証し次世代へ .14年8月5日

 NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)が、昭和女子大(同)の学生たちと一緒に、日本被団協が保存する資料の整理作業を進めている。被爆者運動の記録を集めて次世代に伝え、記憶の風化を防ぐ狙いだ。(山本和明
 全国の被爆者調査の回答用紙、国への要請文、内部の連絡文書…。2日は東京都内にある同会事務所に5人が集まった。さびたホチキスを外してクリップでとじ直し、目録に資料名や年代を記した。黄ばんでいるため、丁寧に扱っている。
 資料は1956年の日本被団協の結成から2000年ごろまでで段ボール箱で66箱分。同大人間文化学部の松田忍専任講師(38)=日本近現代史=がアドバイザーとなり、昨年から夏休みを中心に学生、卒業生計28人で作業をしている。
 3年佐藤永美香さん(20)は「被爆者運動の証しを未来に残すことは、平和な世界の実現につながるはず」。10日まで続け、今月下旬から再開する予定だ。
 継承する会は、被爆者運動などの資料を集めた施設「継承センター」の建設を目指している。整理した資料は「記憶遺産」として世界に発信する考え。
中国新聞 2014年8月3日朝刊掲載)
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●このような資料は、時間と共に消失する可能性がある。それを、整理・確認して、後世に伝える、これは、極めて重要な仕事である。過日も、第2次世界大戦の折の学童疎開の資料を収集保存管理している資料センターの小林奎介氏とお会いして、資料保存の困難さを伺ったが、このような仕事は、時間と共に、日月と共に、その価値は大きくなる。この作業に、昭和女子大学人間文化学部の松田忍先生と学生が参加していることを知って、とても嬉しい。
■作業の様子 昭和女子大学facebook より