如儡子から、小学生へ贈ることば

●東京都中央区立泰明小学校の『泰明だより』平成26年3月号に、校長・和田利次先生の生徒に贈ることば「よき学舎にて」が掲載されている。
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・・・もう少し欲張りな願望を言わせていただきますが「礼儀と云うは、むかいの人によっておこない、時にしたがっておこなう、万事一ぺんに心得べからず」(如儡子可笑記』)の教えにあるように、礼儀というのは、相手が誰で、どのような状況にあるかに応じて行うものであり、決していつでも同じように行えばよいというものではない、例えば、廊下でご来賓の方と会いました、この場面では「こんにちは」でも、会釈や黙礼でもいいのです。先生と廊下ですれ違ったとき、この日初めて会ったのなら「おはようございます」「こんにちは」が言えるといいです。そうでなければ会釈、目礼で十分です。“目礼”は、黙っていても心が通じる、呼吸、タイミング、そして、深い信頼関係がなければ成立しないコミュニケーションです。あいさつ一つとってもこれだけの学びがあります。こういうことを学びとして受け止められる子どもたちであってほしいと願っています。・・・
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●この1節は、『可笑記』巻2の48段にある。原本には、
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▲むかしさる人の云るは、人間におゐて礼義を肝要と心得べし。礼儀と云は、むかひの人によっておこなひ、時にしたがっておこなふ。万事一へんに心得べからず。

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このようにある。近世初期の仮名草子作者の言葉か、現在の小学生に伝えられる、という、このことが、嬉しい。
■『泰明だより』平成26年3月号