『新発見 週刊 日本の歴史』 創刊

朝日新聞出版から『新発見 週刊 日本の歴史』が創刊された。第1号は「戦国時代 3」である。織田信長に焦点を当てて、読者の興味を集めようという戦略。日本の歴史において、江戸時代のスタートは、やはり魅力がある。信長→秀吉→家康・・・。そして300年の元禄文化・・・。
●「天下統一前夜・・・織田信長の見た夢」として、この劇的な展開を見せた時代に焦点を当てている。6つの新発見 として、①本能寺の変の真実。②長篠の戦い 勝因は「三千挺三段撃ち」ではなかった。③信長を「天下人」とみなした朝廷。・・・。
●信長の伝記を伝えるものとして、小瀬甫庵の『信長記』があるが、その前に書かれた、太田牛一の『信長公記』の写本段階で、長篠の鉄砲は「千挺」に「三」を補って「三千挺」と変更され、以後、3000挺と伝えられたことを紹介している。身びいきな著者のやりそうなことである。歴史における資料批判は重要である。
■「歴史は新しい事実の発見によって修正を迫られる。そういう意味では、歴史は常に書き改められる運命にあるといっていいかも知れない。
 私たちは、歴史上のさまざまの人物に出会ってきた。それと同時に全く知られていなかった人物と出会うことも時としてある。
 一つの資料の発見によって、今まで知られていなかった人物が歴史の上に登場することさえ有り得る。」
●拙著、文春新書の「はじめに」の書き出しである。このたびの『新発見 週刊 日本の歴史』の続刊が楽しみである。
■『新発見 週刊 日本の歴史』第1号

■『信長公記』の写本の書き込み