酒田 『方寸』 第13号 発行

●酒田古文書同好会の『方寸』第13号が発行された。平成20年に12号が出て、13号が今年の11月に発行されたわけである。12号までにも貴重な論考・資料紹介が掲載されて、文化の酒田を伝えてきた。私は、酒田で活躍した、近世初頭の武将・斎藤筑後守広盛、その子、如儡子・斎藤親盛の研究をしているので、この雑誌には、多くのことを学んできた。

●第13号の表紙には、五十嵐雲嶺の版画「亀ヶ崎城と大手橋」が使われている。この号には、土岐田正勝氏の「『東日本大震災』と歴史研究者の役割」が載っている。これまでに起こった震災の記録をあとづけ、それを参考にして、今後の震災の予防に資するべきだと述べられる。実は、今回の大震災については、私達の研究会の坂井氏も、『徳川実紀』の記録を整理して、この自然の災害に、心すべきではないかと提案していた。

●また、この号には、小野寺裕氏の「清川大庄屋文書に見る大庄屋のかたち」という貴重な資料紹介と論考が掲載されている。その中には、印旛沼開拓工事への、庄内藩からの人足派遣の様子も、具体的に紹介されている。
天保十四年、庄内藩は幕府より「下総国印旛沼古堀筋御普請」を仰せ付けられ、その当時遊佐郷江地組に赴任していた斎藤隼之助も七月十三日御代官石井守右衛門、夫百九拾八人と共に出立した。」
以下、道中のの宿泊地など、具体的に記録されているという。このような、地方史の史料は、実に貴重な存在である。

★『方寸』第13号の詳細 → http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html

■『方寸』第13号の表紙